桃

ミナリの桃のネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アカデミーで話題になっていて気になってたのですが、ようやく鑑賞。

題名からなんとなくラストはみえるものの、母国から離れて何とか家族を養っていこうと奮闘する家族を静かに丁寧に描いており、最後まで飽きずにみられる。

1980年代、アメリカ。雛の孵化工場で働く韓国からの移民の夫婦、夫のリーは現状打破するべく、近くの土地で畑を始める。
韓国に残してきた祖母を迎え入れ、5人での生活が始まる。

息子のデビットの視点で物語は進む。
家族に合流した祖母は、料理も出来ず、文字も読めない。
子ども達には花札を教えながら、何ならちょっと汚い言葉遣いを教えたり、教会でもお金をくすねたり、デビットにとってはショッキングなことだらけ。

しかし、いたずらを許してくれたり、怪我の治療をしてくれたり、川へ一緒に散歩行ったりするうちに、おばあちゃんとは一緒に寝る仲までに。

父のジェイコブ、母のモニカはそれぞれの思いで家族を守ろうと必死に働くが、すれ違いが続いていく。
どちらの方が正しい、ということもない内容でも、別れる選択をしなければならない状況は辛い。

絶望をみた一家ですが、1番大事なのはそれぞれが生きて一緒に寄り添っていくこと。
子どもも、親が思う以上に家族を守ろうとし、強く生きている。

皆さん演技うまいですが、お姉ちゃんアン役の女の子が、表情含めてとても惹かれました。


監督インタビューで、ミナリ(セリ)について、下記の様に述べられていました。
この映画では、"家族・子ども"の象徴としても描かれていて、苦しい環境下でも良い方向に向かっていくよ、というメッセージにも受け取れました。

-忍耐強い植物で、何も栽培できないところに育つ。非常に痩せた土壌でも根を張る。そして最終的に土壌を活性化し、水をキレイにする。浄化作用があるのです。
桃