うどん

ミナリのうどんのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
3.9
公開当時から気になっていた作品をようやく、レンタルにて鑑賞!

うーん…いろいろ考えちゃうな…

私、アメリカ開拓時代を描いた「大草原の小さな家」というドラマのDVDボックスを小さい頃は両親とコツコツ観ていました。貧しいけど仲睦まじい家族の様子や、町の人たちとの交流、子供の成長…など、ほっこりするエピソードが多くて、大好きなんです。今回の作品は時代こそ違えど、「大草原の小さな家」のように、新たな地で家族支え合いながら周囲の人と交流しながら何とかやっていく…そんな話だと勝手に想像。

……違いました。「家族のため」と夢を追いかける父親、我慢の多い母親、病弱な息子、母親や弟を気遣う娘…と、なんだかギクシャク。なかなか農業やビジネスが上手くいかず余裕がなくなってきたお父さんの苦労もわかるけど、我慢してばかりのお母さんの方が気の毒に思ってしまった。
そしてアメリカにやって来たおばあちゃん!!花札を子供に教えちゃうし、汚い言葉もたくさん言っちゃうし、「おばあちゃんらしくない」という息子君に降りかかる試練の数々とその時々の表情が、子供らしくて可愛かった。

両親が共働きの私は、小学生の頃から高校生まで、祖父母の家に帰って晩ご飯を食べて、迎えに来た両親と家に帰るという暮らしをしていました。祖父が入院してさらに亡くなってからは、祖母と2人きり長い時間を過ごしてきたので、今作品で、息子君とおばあちゃんが衝突したり穏やかな時間を過ごしたりというシーンは、自分に重なるものが多くて凄く沁みた。終盤のおばあちゃんの姿には、とても泣いてしまった。
だから、ラストシーンはほっこりしました。少し救われた気分。エンドロールの「全てのおばあちゃんに捧げる」にほろり。

ミナリとは、「たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きる」という意味が込められているそうで、本当にいろいろ考えちゃう、そんな作品でした。
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