「家族を繋ぐ普遍(ミナリ)な物語」
「ミナリ」鑑賞。
アーカンソーの片田舎のやってきた韓国人一家。
夢を追い続ける夫とそれに付き合いきれない妻…その温度には常にギャップがあって、それでもそれを繋ぎとめるような家族の温もりがある。
しっかり者のお姉ちゃんと少し身体が弱い弟…それに奔放なお祖母ちゃん。
現実を突きつけられつつ、それでも挫けずにアメリカの夢を見たアジア移民は一体どれくらい居たのだろうか?
監督・脚本のリー・アイザック・チョンはアーカンソーの農場育ちということで実際の時代考証とも近しい物語なんだろうと思う。
ミナリ(セリ)という特別でない草を愛でるお祖母ちゃん。
群生するその様は困難にあった家族を静かに癒してくれる。
セリは水が綺麗なところに出来る…この地味だけどジワジワくるメタファーに作品の本質がある。
特別ではなく普通であること…当たり前を大切に思えることがいかに素晴らしいか。
一息ついた時に気付くことが大きいんだ。
それにしても…テレビのプロレス中継を観て興奮するお祖母ちゃんというのは世界中どこにでもいるんだな…うん、そいつは素敵だ。