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ミナリのetcetranのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.7
荒れ地を開拓し農家として家族を養おうと決意し必死な夫。
そんな夫の計画に不満いっぱいの妻。

この夫婦は平気で子供の前で夫婦喧嘩する。
好感が持てるはずもなく、あまり表情もないこの二人に
初っ端から期待値が下がってしまった。

ところが、、、どんどんと世界観に引き込まれて行って
見終わった時の感情は何とも説明し難いものだった。

どんなに一生懸命がんばっても
掴みたい「幸せ」が無惨にも遠ざかることもある。

「おばあちゃんさえきてくれれば、、、」
こんな筋書きも頼りなくも散ってしまうこともある。

一方、デイビッドの持病があった心臓には奇跡が起きていた。
開いていた穴が塞がろうとしたいた。

「こうすれば幸せになれる」
なんてものは幻のようにさえ思う。
成功するも、失敗するも、ただそうなっただけ。
何かのせいでも誰のせいでもない。
病気が自然に治るのも、水源がダウジングで見つかってしまうのも
理屈じゃ説明できないことが起きることもある、というだけ。

手を加えなくてもたくましく育くミナリの葉のように
人間の私達も起こる出来事に漂いながら
もうすでに幸せはここにあるんだと気づければ
逞しく根をはり生きていけるのかな。

なかなか深い作品だった。
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