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ミナリのこーたのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
3.8
ミナリってセリなんですね。セリ鍋が食べたくなる。
おばあちゃん役を演じるヨンジョユンの名演が光る。前半は文字も読めず、賭博が好きなクレイジーおばあちゃんだが、孫に優しい姿はどこか憎めない。そして後半は弱々しい姿で別人に成り果てる。キャラクターとしてのギャップと人間的弱さが魅力的でさすが助演女優賞。
アメリカに移住してきた韓国系移民の家族。夢見る夫に対してただ家族で平凡な幸せを求める妻、しっかり者の長女に身体が弱いが好奇心旺盛な弟…。家族構成はよくあるキャラクターだけども、近年増加傾向にある韓国系移民が不慣れなアメリカの土地で生活する切り口は新鮮で、見守りたい気持ちにさせられる。韓国人目線で描かれているためキリスト教や信者の姿が異質な、ある種滑稽な姿で描かれている。
全体的に悲劇の様に描かれるが、悲劇のボルテージが最高潮になる火事が彼らのターニングポイントになる。その再スタートは冒頭に比べ、幾ばくかの希望が垣間見える表情になっていた。
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