菅藤浩三

ミナリの菅藤浩三のレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.5
日本人も中米人も南米人も中国人も、かつての祖先が一攫千金アメリカンドリームを目指してアメリカ大陸にやってきた民族出自の映画人はそろって歯噛みしたのではないか。彼ら全員にこのテーマを描くことはできたはずなのに、今後はミナリの二番煎じとされてしまうからである。製作費がわずか3億円ながら、韓国語だらけの映画なのに、作品賞・監督賞・主演男優賞(父親)・脚本賞・作曲賞にダークホースでアカデミーにノミネートされ、助演女優賞(祖母)はアジア人で2人めで獲得してしまう。だが私に言わせると母親を演じた女優がノミネートすらされていないのは信じがたい、非常に真に迫った演技だった。顔が揃いも揃って平たい細目というのがかえってよかった。ストーリーはほとんど笑いの要素がない(かろうじて祖母に孫がオシッコを混ぜて飲ませたいたずらくらいかな)、貧乏から脱出できる見込もなく祖母の半身まひそして最期の出火はえっここまでちょっぴり病弱の孫が元気になったことを除いて救いがないのかて感じだった、その展開がアメリカンドリームを達成した人は実際にはほんのわずかしかいなくてだからドリームなんだとアメリカ人に思わせて、アカデミー賞にたくさんノミネートされた理由なんでしょう。祖母が好きな山の雫はアメリカならではマウンテンデュー。夫婦喧嘩はやっぱり続くんだろうね貧乏である限りは
菅藤浩三

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