SetsukoAzuma

MINAMATAーミナマターのSetsukoAzumaのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.8
実在の写真家ユージン・スミスがライフ誌で水俣病について、世界に発信したことが解決の大きなキーになったかどうか、小学生のころに学んだ水俣についての知識には残ってなかったのですが、子供のころ学んだ水俣の公害については、トラウマになるくらいのインパクトがあったのをよく覚えてます。

社会の時間に教科書に載っていた患者の写真は強烈で、広島の原爆の写真の次に、子供のころに恐怖を感じた写真でした。

それをスミス氏が撮ったのかどうか不明ですが、写真の力を体感していたので、今回の作品がジョニー演じるユージン・スミスがどうやって撮影しているのかという点で、興味深く見ることができました。

水俣と戦う人たちの群像劇でもないし、水俣そのものとの闘いというよりも、本作は、写真家のスミスにスポットを当てていたと思います。

渋々日本に撮影に来て、いやがらせを受けながらも、なんとか真実を暴いて水俣患者を救おうとするスミスですが、酒浸りでだらしない、社会人としてはちょっと難がある初老の男。

ジョニーが老けメイクで、本物そっくりに化けて演じてるのが見どころ。

日本キャストは、加瀬亮、真田広之など演技派をそろえておりましたが、撮影自体は、すべて日本じゃなくて外国だったので、エキストラの子供とかが明らかに日本人じゃない子がいたりしました。

日本側は、住民たちは熊本弁で話をしており、そこらへんも大変だったかもしれません。

スミスが日本人女性のアイリーンとともに水俣病の真実を追う物語ですが、ちょっと事実とは違うのでは?という所も多いので、そこは面白くするための演出と思っておいた方がいいかな。

ラストに本物の写真などがクレジットで流れますが、映画でも同じシーンをセッティングして、そっくりにしてました。

破天荒な天才カメラマンの高潔な生き方を描いてると思って期待しない方がいいですね。
ユージンは、結構弱音吐きまくるので、どちらかというと、強さを感じたのは、企業と戦い続けていた真田広之演じる山崎さんでした。

最後に流れる各国の人為的な公害のラインナップに、東北の原発も入ってたので、やはり外からはそう見えるよねーと思いました。

シリアスな映画だったので、公開3日目でしたが、かなり空いてた。。
興味があれば早めにどうぞ!!