予想していたより良かった。
公害を扱うということであるが、腫れ物を扱うように描いてないことと暗くなりすぎないあたりがとても良かった。
実在のユージン・スミスを演じるのはJ・デップ。
そればかりではないけれどJ・デップのキャリアでは某チョコレート屋や飲んだくれ海賊や絶倫吸血鬼やハサミ人造人間などいわゆるキャラものが多く、「あぁ…J・デップだなぁ。」と思う中で、実在の人物を演じるということで、いかにハリウッドスター、J・デップらしさを脱する事ができるかというところがあった。
結果、彼の来歴でも上位に入るものだったように思う！
なぜ、今になって水俣病なんだろう。
恥ずかしながら教科書のなかの一つで既に過去の出来事のように思っていた。
私がテストのために暗記していただけだったものを映画にしてくれたことで、頭の中でただの事柄が物語となり、色づいた。
知っているだけだったことを知りたいと思わせることも映画の力でしょう。
今でも苦しんでいる人が大勢いる問題なのです。
アジアの一国の公害問題を世界に発信していくという点でJ・デップのスター性を含めて、関心を持つという入口としてのねらいはしっかりと果たしており、故ユージン・スミスの想いも写真から映画という形に変えて届いているのではないかな。
