ひろさん

MINAMATAーミナマターのひろさんのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.5
日本人でないジョニー·デップが未だ解決されていない水俣病を、ユージン·スミスとアイリーンの姿を通して描いたことに驚き、感動した。
かつては、土本典昭がシグロから「水俣-患者さんとその世界-」などの作品を出したが、長い間、多くの人が水俣病について知る機会はなかった。
この映画の公開をきっかけに水俣病についての新聞記事を目にすることが多くなったように思う。これが映画の力である。
ユージン·スミスを演じるジョニー·デップを見たアイリーンが「『あ、ユージンだ』と思った。」と言っているように、川本輝夫氏や島田賢一社長も映像や写真での記憶と雰囲気がそっくりだった。
鑑賞後、久しぶりに写真集「水俣-MINAMATA」を開けてみた。ユージン·スミスが書いた序文に「これは客観的な本ではない。ジャーナリズムのしきたりからまず取りのぞきたい言葉は『客観的』という言葉だ。」とあった。この言葉がユージンの水俣に対する姿勢を表している。
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