井手雄一

MINAMATAーミナマターの井手雄一のレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
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良い映画だった。
新しいiPhone 欲しいとか思ってた自分に自戒。
フォトジャーナリズム、良くも悪くも写真の果たす役割や、取るものの責任と心構え、取る対象への共感と自分自身の表現と作家の背景やエゴ、名声や評価欲求などもしっかり描かれている写真映画だった。
フィルム写真が再ブーム来てる若者にも見て欲しい。
誇張や史実と違う演出など含まれているものの、子供の頃から習ってきたミナマタと、それでは終わっていない現代まで続く環境問題や、根本的な問題として、利益の裏で社会に黙殺されてきた人々がまだ世界にいるというところまでしっかりつなげており、ユージンの写真や彼以外の当時の膨大な映像なども交えてドキュメント風にも描いていて、見ていて苦しい。
その反面、特に写真としての瞬間の絵が美しく、映画映像自体の美しさというより、何かファインダーごし切り取られた美しさ、を感じる不思議な映画だった。
日本人俳優がしっかり配役されてるのも良かった。
井手雄一

井手雄一