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MINAMATAーミナマターのひでGのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.9
ずっと気になっていた作品、配信即鑑賞しました。

意外に評価が難しい映画ではありますが、このことを伝えよう、世界にもっと知ってもらおうとスタートした初心は、尊いものだと思います。

ユージン・スミスの写真に感銘を受けたジョニー・デップが自らプロデューサーを引き受けて、監督アンドリュー・レヴィタスを指名し、日本での撮影を開始したとのこと。


ネット記事によると、地元水俣市の対応が複雑だったそうだ。
ハリウッドの世界的スターが水俣の映画制作してくれることは嬉しい反面、またあの対立を生むのでは、映画が史実に即しているか、
そもそも水俣病を過去のものと忘れたいという市民も相当数いるということなどから後援を拒否した。(熊本県は後援)

アル中になり、長年写真を提供してきたライフ誌面とも軋轢が生じ、自暴自棄になっていた高明なカメラマンのユージン・スミスに日本のある漁村で公害病が起きていることが知らされる。

序盤から、スミスさんの遺族も驚くほど本人を再現したジョニー・デップの役作りの凄みが映画を引っ張っていく。

「バイレッツ〜」や「チョコレート工場」が有名なジョニー・デップだが、企画選び、役作りにはとことんこだわり、メジャー以外の作品も愛する骨太アクターだ。
そんな彼が、我が国で最も有名な公害病をテーマに選んでくれたのは、ありがたい。

被害者である水俣の人たちの闘いの様子も(やや形式的な感じもあるが)描かれ、
来日してからも紆余曲折あって、あの「入浴する智子と母」にたどり着いたかも、克明に描かれていて、とても興味深かった。

地元にとっては、センシビリティなテーマではあり、中には「史実と異なる!」と不快に思う人たちも居たようだが、作られた魂は高評価したい。

付け足しだが、監督アンドリュー・レビータスは、「地元民の役はぜひ日本人を!」と懇願したとのこと。

日本側の真田広之、浅野忠信、國村隼らが好演!特に國村さんは、単に悪役に陥らず、その表情から様々な感情や立場上言えない事情をも表していて、さすが!と思った。

もう少し、日本人として水俣病について知っておかなければ、、

そうか、教科書で見たあの写真は、こうやって撮られたのか!

「水俣曼荼羅」を観ないと、、💦
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