はさみのり

MINAMATAーミナマターのはさみのりのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.8
昭和時代の有名写真家ユージン・スミス🧔‍♂️
彼が晩年、日本の水俣へ移り住み、
水俣病の現実とその加害側との経緯を知り、
写真に収めていく。

実際のユージン・スミスの写真は
昔見た記憶があり、
モノクロに真っ直ぐこちらを見据える目が
凄く印象的だった。

水俣病も自分が子どもの頃に
他の公害と同じ様に大きく報道されてて、
とても記憶に残っている。
水俣病で亡くなった遺影を掲げたり、
重度の身体障害を抱えながらも
家族や仲間と一緒に座り込みやデモをしていた。

ジョニデがユージン・スミスを熱演🌟

作品の始まりからユージン・スミスは、
一世を風靡した余生を過ごしてる感じで、
戦地へ行ってたせいか、ストレスや
トラウマに悩まされては、
酒浸りの日々を送っていた🥃
(この飲んだくれ描写は、
ジャック・スパロウのソレとは全然違う🏴‍☠️笑)

後に妻となるアイリーンの誘いで、
元々は気乗りせずに水俣へ来たのだが、
この現実に衝撃を受け、
写真家として自分に出来る事をするんだ、と
使命感も抱く様になる。
自然体の水俣(風景、人)を撮った写真も、
チッソ株式会社の中を撮った写真も、
全てありのままを撮る中に本質を見る...👀

その中の「入浴する智子と母」は渾身の一枚📷
それまで智子のいる家庭と親睦を深め、
智子を身近に知る事で、
ユージン・スミスの被写体になる事を受け入れてくれた。
本当に唯一無二、彼ならではの一枚だと思う。

しかーーし、
令和のこの時代、
まだ被害者への救済や謝罪が
完全に終わってない事を知る衝撃🫨

体内に蓄積された水銀の影響で
世代を超えて病気に悩まされてるなんて💦
"落としどころ"で解決💴し終わらそうとするのは
被害者の立場になれば到底納得出来ないんだろう。
先ずは知らないより知る、
高度成長期の発展と背中合わせに
列島のあちこちで色んな公害が起こっていたのだと
あらためて確認してみた。
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