Ryoko

MINAMATAーミナマターのRyokoのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.0
水俣病を題材にハリウッドの監督が映画を作った。ジョニー・デップやビル・ナイのような有名俳優が制作に加わって。完全に教科書の用語として頭の片隅にあったこの問題について、考えるきっかけを与えてくれて、見て良かったと思える映画だった。
水俣病はまだ訴訟が続いているように、環境汚染の問題は現在進行形の問題。エンドロールの世界各地の環境汚染被害の写真も衝撃的だった。SDGsとか声高に叫ぶのならこういった問題に無関心ではダメなのだと。
ユージーン・スミスは、「写真は撮るものの魂を奪う」と言う。彼は沖縄戦や硫黄島でも撮影をしていて、そのせいか心に傷を負っているように見える。あの有名な入浴風景を写した写真も、そんな彼だからこそ撮影できた写真だったのかも。正義感や使命感とも違う、被写体に寄り添って生活を共にして同じ空気を吸いながら静かにシャッターを押すような、、、
加害企業の妨害にも屈せずに被害を訴え続けた被害者の方々の様子にも胸を打たれます。
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