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スターガールのJIZEのレビュー・感想・評価

スターガール(2020年製作の映画)
3.3
ウクレレを弾く不思議な少女"スターガール"とごく普通の少年が自分自身や世界の見方を変えてゆく姿が映し出される。まずスターガールを演じた主演のグレース・ヴァンダー・ウォールはオーディション番組で見事優勝した文字通りの実力者で、彼女の等身大以上の歌声と表現力に魅入る。またプロットはド定番の少年少女の学園もので、それぞれの思春期による機微や葛藤がノスタルジックに浮かび上がる。正直かなりティーン向け感が至極否めないが、補正された青春の日々のページを重ねるたびに仲が深まる淡い恋模様な余韻をのこす。後半でシビアな社会問題を盛り込む感じもお見事。各歌唱シーンもディズニー配給らしい爽やかで王道のカタルシスがある。人間特に若者が持つ不思議さ、漠然とした特異性の底はかとない可能性を実感させる映画だろう。
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