Yellowman

ディナー・イン・アメリカのYellowmanのレビュー・感想・評価

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)
4.3
ずっと気になってた映画。パンクが主題と云う事で。

いい意味で、裏切られた。こんなにもピュアで、ハートフルで、美しいラブストーリーだったなんて。
公式HPの著名人のコメントや、ここでの既に観た方のレビューでも、”パンクスの生き様””アナーキーなカップルの破天荒ラブストーリー”などの表現が多く、観る前は、シド&ナンシーのアメリカ版?みたいなイメージだったが、全然違った。見た目、言動、行動は、確かに破天荒なハードコアパンクバンドのボーカルのサイモンと周りから鈍臭いと言われ、唯一の楽しみは、自分の部屋で大音量でパンクロックをかけて踊り狂う事ぐらいのパティがサイモンが後々問題になるいろいろやらかした後に偶然出会ってからの、2人の距離感がグッと縮み出す感じが、実に美しい。特にサイモンが作曲したトラックにパティが歌を吹き込むシーンがあって、その曲がまた良いのである。後は、車に乗りながらの会話中に、自分の事をバカだと言ったパティに急ブレーキを踏み、「自分をバカだなんて二度と言うな。お前はカッコいいパンクロッカーだよ」と語りかけるサイモンは、ピュアで、自分に自信がないパティを全肯定する。これこそ、パンクスだよなと観てる側もグッとくるシーンがあったり。
ラストは、ネタバレになるので、触れないが、サイモンがパティに「Stay Punk」と語りかけるカットがあって、この映画のメッセージを現していると思う。パンク好きは、勿論、音楽好きに観てもらいたい作品。
但し、ピストルズ、クラッシュとかの初期パンクではなく、90年代初頭のUSハードコア時代の設定。

ちなみに、あのダニー・ボイルが監督を手がけた、Sex Pistolsの伝記ドラマは、イギリス、アメリカでは、5月末から配信らしい。
イギリスでは、ディズニープラス、アメリカでは、Hulu らしいが、いずれにせよ、日本公開が待ち通しい。

「Pistol」予告編

https://youtu.be/8Ol1B3w7NtU
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