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ディナー・イン・アメリカのkuuのレビュー・感想・評価

ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)
3.9
『ディナー・イン・アメリカ』
原題 Dinner in America.
映倫区分 PG12.
製作年 2020年。上映時間 106分。

パンクロック好きの孤独な少女が、敬愛するパンクバンドの覆面リーダーを匿ったことから巻き起こる騒動を描いたアメリカン異色ラブストーリー。
パティを『ミスエデュケーション』のエミリー・スケッグス、サイモンをリメイク版『エルム街の悪夢』のカイル・ガルナーが演じた。
共演にリー・トンプソン、メアリー・リン・ライスカブ。
俳優ベン・スティラーがプロデューサーに名を連ね、アダム・レーマイヤーが監督を務めた。

過保護に育てられた臆病な少女パティは、孤独で単調な毎日を送っていた。
そんな彼女にとって、パンクロックを聴くことだけが、平凡な人生から逃避できる唯一の楽しみだった。
ある日、パティはひょんなことから、警察に追われる男サイモンを家に匿う。
なんと彼の正体は、パティが大好きなバンド
サイオプス
の覆面リーダーであるジョンQだった。

プレートに何種類かのメシが乗っていて、レンチンで温めるだけで夕食になる冷凍食品を
TVディナー
と呼ぶそうです。
楽チン安上がりの食事。
それが毎日なら、また、若ければ、漫画のように、壊れかけた(壊れた)家族に中指を立て、パンク精神に貫かれたボーイ・ミーツ・ガールを演じてたかもなんて思ったかな。
そんな家族にパンク精神で挑む作品かな。
今作品は、最近見た作品のなかで独創的でインスピレーションを受けた作品の一つであす。
表向きは伝統的なロマンス映画やけど、エッジを効かせようとしすぎているって何かに酷評されてましたが、個人的にはロマコメというジャンルにありがちな決まり文句が、この作品には感じられなかったかな。
それどころか、最終幕に至るまで、厳密な意味でのラブコメではなかった。
また、何の救いもないような一本調子の登場人物が、小気味よく敵対する台詞を連発すると重ねて酷評されてたが、洒落た台詞や反感を買う台詞だらけの脚本が(あくまでもわざとらしくない)どうして悪いんかな、わからない。
サイモンもパティも一本調子とは程遠いキャラで、救いのある部分もある。
サイモンのいいところを引き出しているのは、実はパティなんやし。
パティは、可愛らしくも一癖も二癖もある若い女子。
サイモンは主にショックバリューのために悪者・危険人物を演じ、『悪いさかいにいいんや』ちゅう演技を最大限に発揮している。ダークなユーモアと非常に下品な言葉があるのは確かやけど、郊外からの狭量さをリアルに映し出しているかな。
カイル・ガルナーもエミリー・スケッグスも、それぞれの役柄が印象に残る。
どうしても、激しさや情熱と邪悪さを混同してしまうかも知れへんが、個人的には今作品は激しさと情熱がかってる作品やと感じたし、勿論、ロックも感じたし、個人的には嵌まりました。
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