夜ノ砂

弱虫ペダルの夜ノ砂のレビュー・感想・評価

弱虫ペダル(2020年製作の映画)
3.5
アキバヲタクがひょんなことから自転車競技に参加する流れは斬新だが、主人公・坂道(永瀬廉)の“仲間大事”な純真さには感情移入しづらいし、汗と涙の正統スポーツ青春ストーリーにして少年バトル漫画のようなノリにくささとベタ感は否めない。

坂道は思春期の屈折心0%。もう純真さと前向き思考が光を放っていて強烈に眩しい。
一人ぼっちだったひ弱な少年も「がんばればできるんだ」を地で行く正統スポーツ青春ドラマは、直球すぎて仰け反るほど「友情・努力・勝利」の方程式を完璧に踏襲していて「今21世紀だよね?」って思わず確認したくなるほど。

他のメインキャラたちも悟空かルフィじゃないかと思うくらい天真爛漫×闘志むき出しで無邪気な王道っぷりにちょっと頭クラクラする。

そんなこんなでも見どころはある。
競技シーンは選手たちの心理を描き、空撮や車輪カメラなどを駆使した迫力のある映像で見せるから本物のスポーツ試合以上に盛り上がる。

素人目にはただ走るだけのように見える自転車レースにもここで体力温存するとかあそこで前に出るとかいろいろ戦術があるんだなと勉強になったりする。
競技中のモノローグがいってみれば合法『頭文字D』。

白熱するレース展開に声援を送りたくなってくる。
これは“自転車レース映画”だ。そう思うと悪くない。
夜ノ砂

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