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母親たちのmのレビュー・感想・評価

母親たち(2018年製作の映画)
3.5
淡々とした狂気。
本当に狂っていた方はどちらなのか?

アリスとセリーヌはお互いを親友だと思い、隣同士に住む仲。
ふたりの息子同士も仲が良く、お互いに思いやる日々が続いていた。
が、ある日不慮の事故によりセリーヌの息子が亡くなってしまう。
アリス、セリーヌの仲にも亀裂が入り…といったストーリー。

ラストはまぁ、美しい終わりなのだけど、凄く怖いものになっている。
ある動物が今作のオチと同じことをする、と聞いた時「可愛い顔して狂ってる…」と思った。
動物と人間を比べた時、圧倒的に人間の方が進化しているだろう。
倫理観や罪悪感とかあると思いたいが、それを今作は見事に裏切ってくれた。
母性は美しくもあるが、行き過ぎたものは狂気だ。
……また、美しく描かれているから皮肉。
そんな終わりも有りなのかもしれない、と思った自分に驚き。

話を戻して、今作、精神的にオカシかったのはアリスとセリーヌどちらなんだろう。
狂った行動を起こしたのは紛れもなく、彼女なんだけど、その行為を引き起こしてしまったのはもう片方の女だと思う。

疑心暗鬼になり過ぎた果ての末路。
最初から信じていなかった女の末路。

ただ狂っている、疑心暗鬼になり過ぎ、と言ってもそこに愛しの息子が入ってくるとなるとそれもやむ終えない。
母親、という立場が引き起こした悲劇であるが、でも女という性別を持った人間は他人事ではないだろう。

ファッション、インテリア、車などオシャレで観ていて楽しかった。

息子ちゃんに幸せが訪れるといいな。

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★☆☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ★★☆☆☆
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