ハマジン

おらおらでひとりいぐものハマジンのレビュー・感想・評価

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)
3.0
沖田修一監督作品、「俯瞰」のショットがバチっとキマる瞬間が何より爽快で感動的だと毎度思うんだけど(『横道世之介』のキスシーンや『モリのいる場所』のエンドロールとか)、今回原作のポリフォニックなテクストを映像に置き換えるにあたって、俯瞰演出を多用しているのが印象的だった(家屋の構造やテレビのフレーム、常に別の視点(「寂しさ」三人衆ら)が介在する作劇など)。山の上の墓場から住まい(所沢市)を振り返る俯瞰ショットには特にグッときて、「撮影誰」と思ったら安心と信頼の近藤龍人だった。
ある意味「自己肯定」の話なんだけど、その「自己」が地球46憶年の地層の積み重なりから見返してくる、という壮大さに泣く。

あと、主役の桃子さんは田中裕子と蒼井優の二人一役なのに、旦那の遺影は東出君の老けメイク、という映画ならではのふてぶてしさもよかった。
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