ツースケ

おらおらでひとりいぐものツースケのレビュー・感想・評価

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)
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夫が先に死んで、子供も家族が出来て、賑やかだった家が1人だけになった。僕はそうなった時にどう頑張ってもその寂しさは埋まらないと思っている。分身の3人など想像を働かせて、自分の人生と自分自身を振り返って行く演出から、最終的に1人で生きて行く時間が欲しかったと言う。僕にはそれが本心から思ったことだと思えないな。孤独と向き合う余生を受け入れ、退屈な普通の日々を少しでも楽しく暮らすことへ一歩踏み出す決意をしたかのように見えた。そして、ラスト原始人から「気の遠くなるような長い時間をつないでつない」と言われるシーンがある。今の命は過去の先祖が繋いできたタスクであり、次のタスクを娘そして、娘の子供へと渡っていく。今の命はこうしてつないできたと考えると奇跡だと思うが、退屈と孤独は時にもそんな命がどうでも良いと思わせてくるから厄介なんだ。