プレコップ

ビースティ・ボーイズ・ストーリーのプレコップのレビュー・感想・評価

4.6
ビースティ・ボーイズのいびつで幸せなキャリアを追う

1980年代から2000年代にかけて活躍したヒップホップグループ「ビースティ・ボーイズ」を追うドキュメンタリー。でも、ただのドキュメンタリーではなく、メンバーであったマイクDとキング・アドロックのトークショーという形で表現される。監督は映画「マルコヴィッチの穴」、「her」で知られ、ビースティの「Sabotage」のMVも監督したスパイク・ジョーンズ。

ビースティはパンク好きの高校生が組んだバンドが始まりであった。初めはバンド然とした演奏中心だったが、リック・ルービンとの出会いからヒップホップレーベル「デフジャム」と契約し、ヒップホップ、ラップを中心とした作品群を発表するようになった。

そのキャリアの面白さも余すことなく伝えながら、ヤウクの書くリリックやパフォーマンスの方法の変化もきっちり伝えられて感動する。一方で過去の映像にツッコミを入れたり、有名人をコケにしたジョーク、客いじり、漫才のような掛け合いなど、大いに笑える2人のトークはエンターテイメントとしてとても楽しい。ビースティの意匠を大いに汲んだステージ構築は非常に満足感が高く、この映画はそれを余すことなく伝えることに成功している。エンドロールはぜひ飛ばさずに見てほしい。客が豪華すぎて、見ていて声が出た。

ファンだけでなく、彼らを知らない人にもおすすめできる一作!
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