よふかし

ビニール袋の夜のよふかしのレビュー・感想・評価

ビニール袋の夜(2018年製作の映画)
3.8
荒廃した街でビニール袋が宙を舞う。やがてビニール袋は人や動物を襲い始めるが、元彼と復縁したい女はビニール袋に目もくれない様子で…

『ラバー』のように物に意思が宿る系映画が好きなのでこちらも好みだった。ヌルヌルと蛇のように動くのが可愛いな。
パニック映画のように襲われて逃げ惑う人々に対し、元彼に復縁を迫り続ける女の根性にはある意味感服する。彼は私のもの!という必死さが面白いwそんな中生物はビニール袋に殲滅させられており、諦めた女は今しかない!と元彼に子作りセックスを迫るのが最後まで彼女らしくて良かった。

以下ネタバレ↓


ビニール袋は男を殺し女を孕ませるがなぜかこの女に優しいように見える。女は神殿に辿り着き大きなビニール袋を出産をすると、中にチビビニール袋が沢山いて天使のように空に登っていく。彼女が‪巫女的な役割を果たしつつビニールと融合するのが奇妙で気持ち悪いけど神秘的でもある。今世の中から減らそうと取り組まれているビニール袋をモンスターに見立てて生み出した人間に復讐するかのように襲い、壊滅した人間社会でもなお子供を求める女性と一体となり新たなビニールを生み出す。なんて皮肉で風刺的なんだ。
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