われらがカリオカ、
セウ・ジョルジがシェフ役!
イスラエルのユダヤ人と、パレスチナのムスリム人同士の結婚で産まれた12歳のエイブ(「ストレンジャー・シングス」のノア・シュナップ)は、ブルックリン育ちで、料理が大好き。
ただ、民族、宗教の違いと過去の重い歴史のため、集まるたびにケンカになる祖父母たち、それに釣られて険悪になる両親に辟易している。
ある日SNSで、色んな国の料理をミックスしたフュージョン料理家チコ(「ライフ・アクアティック」セウ・ジョルジ)を発見し、両親に隠れて修行させてもらうのだが…
重いテーマながら、ノアくんが可愛すぎるし、導入部からかなりの情報量をテンポよくポップにエディットしてあり、料理の映像も美味しそうでたまらない。
甘味(sweetness)、酸味(sourness)、塩味(saltiness)、苦味(bitterness)、うま味(umami)の見せ方も楽しいし、まだ子供用のパジャマを着せられてるの笑える。
ユダヤxムスリムの間で翻弄されるエイブの、”あとグリフィンドールでもある”とか、”いっそクリスマスを祝いたい”ってセリフも効いてた。
エイブは家族の溝を埋めようと自分なりに”セム語族圏”の伝統を混ぜ合わせたフュージョン料理でもてなすのだけど・・・
終盤、え?警察に届けず呑気に食事?とも思ったけど・・・まぁ、そうじゃないとストーリーが成り立たないもんねw
ラストは爽やかほっこりな読後感でした。
★ちなみに・・・料理の師匠チコ役のセウ・ジョルジについて
日本での知名度は低いけど、ブラジル音楽好きなら知らない人は居ない国民的歌い手。ロンドンオリンピック閉会式でも歌ってる。
リオの貧民街ファヴェーラに生まれ、弟をギャングに殺され、一時期は歌でお金を稼ぎながら数年間路上生活をしていた。
その後、大学の演劇グループから派生したバンド、ファロファ・カリオカを経てソロへ。
出演作は「「ライフ・アクアティック(サントラも担当)」、「シティ・オブ・ゴッド」、「モロ・ノ・ブラジル」など。
実は2005年の来日公演の際に知り合いのツテで、彼と一緒に酒を飲んだことがあるのだけど、ものすごく色気と雰囲気のある男でした。
甘味も苦みも兼ね備えた歌声で、そんじょそこらのアーティストなんか霞むくらい素晴らしいので、ぜひ聴いてみてね。
Tive Razao / Seu Jorge
https://youtu.be/AwGsZ8vtQiA
E Isso ai / Ana Carolina, Seu Jorge
https://youtu.be/3rn2N0ZbLEQ
Life on Mars / Seu Jorge (David Bowie)
https://youtu.be/M05dpNBFTE0