Ryan

エイブのキッチンストーリーのRyanのレビュー・感想・評価

3.1
いい映画なんだけど…。


ストーリー
ブルックリンで暮らす12歳の少年は、イスラエル人の母とパレスチナ人の父を持ち、文化や宗教の違いから事あるごとに対立する家族に囲まれて育つ。そんな彼の心のよりどころは、料理を作ることだった。


主演 ノア・シュナップ


こんなに良い物語なんだけど、純粋な気持ちで楽しめなかった。
それはパレスチナ問題や主演のノア・シュナップによる大馬鹿発言&行動等だ。
映画を鑑賞する上でとても良くないモヤモヤした感情に襲われた。

まず、宗教は本当に難しい。
この映画ではまるで"家族を小宇宙"に例えたかの様に物語が進んでいく。
それは様々な意味合いが込められており、文化の違いだけでは片付けられない深刻な問題等だ。
しかし、エイブはそれを料理で解決しようとする物語なのだが、子供視点と大人視点の両方を使い分ける事で非常にわかりやすく、宗教問題を紹介しつつ、各々の宗教を知らなくてもなんとなく理解できるという作りになっている。
子供にとっての宗教はもしかすると「環境や要因」によって成長と共に変化していくものなのかもしれないと言う示唆をしている。
その辺のシンプルなストーリーながら、映画を通じて何かを伝えようとする努力は感じられた。

料理がとても美味しそう。
雰囲気は「レミーの美味しいレストラン」みたいで、もっと料理を紹介して欲しかったぐらいだ。家族の物語に焦点があたるが、我々の知らない料理も多数登場する。
一度でいいから食べて見たい。

今や「愚か者」のレッテルを貼られた問題児・ノアシュナップ。
自身がLGBTQだとカミングアウトした時には大歓迎され、今では愚か者。
大人ってのはつくづく怖いと感じさせれる。
確かにこの映画に主演した人物の言動や行動ではないが、多分馬鹿なんだと思う。
子役からスタートして勉強もせず、金持ちになり、何も考えず行動した結果だとは思うがまだ19歳。
これ以上、ガッカリさせられたくはないが彼の今後をまだ応援する気持ちはある。まだね。

気になる方は是非チェック。
Ryan

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