はせ川

泣く子はいねぇがのはせ川のレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
3.4
「映画はダメな奴をダメなまま見せることのできる芸術なんだ」とどこかで聞いたことがあるが、まさにその典型だった。東京も秋田もどこか同じような空虚さに切り取られていて、その中で生きる主人公の負け犬・情けなさっぷりは個人的に重なる部分も多く、全く感動できない感情移入だけがただただ繰り返され正直ラストまで良い気分ではなかったし、ラストさえもどうしようもないように思ってしまった。が、ふと、オープニングでただボーっと突っ立っている主人公の姿と対比しているとしたら…そう考えるとただ情けないだけで終わってもないのかもしれない、春は訪れるのかもしれないと劇場を出た後ふと思った。そして、最後の叫びがずっと頭から離れないのは、これが良い映画の証なのかなとも思った。

折坂悠太さんの音楽は終始素晴らしかったです。
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