感情が揺さぶられない。
葛藤が弱いからであろう。
彼が失ったもの、その喪失感が伝わってこない。夫婦関係や、職場の人、街の人との繋がりがほとんど描かれてないままストーリーが進んでいくからである。
ナマハゲの全裸事件というのが罪としてあまり重くないというか、笑い話に近い感覚である。よって主人公の抱える罪悪感もピンとこない。
あと彼が嫁に愛想をつかされるような人間に見えないのもの良くない。
どこがダラしないのか、どこが父親に向かないのか最後まで分からなかった。
なんとなく地元に帰ってきて、なんとなく元妻に会おうとして、なんとなく仕事をしようとして、、目的がふわふわし過ぎている。もっと強い葛藤が欲しい。もっともがいていて欲しかった。
そもそも、彼はチャランポランな自分をどう思ってるのだろうか。自己嫌悪に陥っていないのだろうか?あるいは開き直っているのか。そういうディテールがないのだ。
そういう物語の核となる部分が描けていないのに、倒れる母親のエピソードや父親のエロビデオの話とか放り込んでも意味がない。
話の重さが全然違うが、
マンチェスター・バイ・ザ・シーあたりを見習ってほしいと思いました。