「退屈な毎日が急に輝きだした
あなたが現れたあの日から」
そんな歌詞を思い出した。
平凡な繰り返しの毎日が、誰かとの出会いで特別な毎日になり、かけがえのない一生になる。
『隔たる世界の２人』が「歴史は繰り返す」「同様の事件が絶えない」という事実をタイムループになぞらえていたのに対し、こちらは「変化のない繰り返しの毎日」を上手くタイムループになぞらえていた。
男女２人がタイムループに閉じ込められる作品といえば、最近では「ロシアン・ドール 謎のタイムループ」が面白かった。
ループから逃れようともがくうちに、２人は助け合い、自分自身と向き合う。
人生はループして同じ光景が何度も繰り返されるが、２人は同じではなく、変わっていく。内省し、他者を思い、成長していく。
コミカルで軽快な作風もこの映画に似ているが、ループの謎解きのミステリ要素と、恋愛よりも内省と成長にウェイトを置いた点であちらの方が好みだった。
独りで100万回生きるよりも、ふたりでたった一度きりの人生を。
いまこの時間は、一度しかないから尊くて愛おしい。
絵本「100万回生きたねこ」や映画「アバウト・タイム」も思い出す。
あと、「ハッピー・デス・デイ」も。
テーマは普遍的、展開は平凡だったけど、明るくポップで前向きなところがよかった。
