Nana

パーム・スプリングスのNanaのレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
4.5
リゾート地、パームスプリングスで、妹タラの結婚式に出席する姉サラ。

そこでナイルズというどこか気だるげな男性に出会う。

お酒の勢いもあったためか、イイ雰囲気になり、人気のないビーチへ。

さぁナニかが始まるぞ!と思ったそのとき・・・

ナイルズは謎の老人から矢で襲撃される。

逃げるナイルズ、仰天し叫ぶサラ。

翌日目が覚めると、昨日と同じ日だということに気付き、プールに浮かぶナイルズの元へ行くサラ。

『私になにしたの?!答えろ~!!』といった感じで、躍起になって問いただすサラ。

何度も同じ日をループしているというナイルズの発言に半信半疑のサラ。

ある"洞窟"に入ると、また今日が来る、また今日が繰り返されるのだ。

これと同様に、眠ったり死んだりすると同じ現象が起こる。

彼らはやがて意思疎通し合うようになり、何かを悟ったように、普通なら出来ないようなことをしながら長い日を楽しく過ごした。

結婚式をめちゃくちゃにしてみたり、人前で変なダンスをしてみたり、バカップルのような彼ら とても面白かった。

ナイルズはサラにあることを打ち明ける。
『実は何回も君と寝ている。何千回も。』

知らなかったサラはまたもや仰天。

嬉しいくせに~素直じゃないんだから、と私の心の声。

このループについて、物理の勉強をしたりと調査を重ね、ある時サラは、このループから抜け出す術を知る。

ナイルズは、そんなリスクを犯してまで無謀な挑戦をしたくない、俺はやらない、現状維持。

サラは時限爆弾の装置を身にまとい、あの洞窟へ。

洞窟が起き出す瞬間に自爆すると、このループという箱から抜け出せるらしい。

最期の別れの時、ナイルズは思いのままをサラに伝える。

サラは黙って聞いてあげた。
最期だから、本当は時間が許す限り聞きたかったのだろう。

ナイルズと一緒に来て欲しいという思いが感じられた。

『君と一緒なら死んでもいい』

ナイルズはそんな言葉を何気なく、だけど良い意味ですごく感情的に伝えた。

胡散臭くなく グッと来た。
何千回も寝た上で言った言葉だからなのか。

そして一緒に2人で洞窟に入った。

『もし明日が来たら初デートはどこがいい?』とナイルズ。

『あんたの実家。』とサラ。

そして、念の為に、愛してると伝えるサラ。
2人は抱き合いキスをする。

ハッピーエンド。
拍手。

ここで終わっても気持ちいいくらいだ。

翌朝、11月10日。

そう、明日が来たのだ。
ついにループから抜け出した2人。

あのプール、あのピザの浮き輪で浮かび、他愛ない会話をするナイルズとサラ。

『人のプールでなにしてるんだ!』と住人らしい男の怒声。

『これが11月10日だ!』とナイルズの一言で幕が下りる。

エンドロールで、謎の老人がナイルズに話しかける。
『どちら様ですか?』とナイルズ。

『そうか!』と安心し、ホッとしたように笑う老人。
まるで成長した子供を見ているような笑みだった。

"私といて飽き飽きしてもいいの?
もうとっくにしてるさ。"

なんてセリフや、

"私は一人でも生きていける。
だけどあなたがいたら、退屈な日も少しマシになる。"

こんなセリフがすごく共感できた。

恋愛でも、人生でも、そんな風に寛大に思えるようになりたい。

飽きるくらい一緒に居られるなんて、飽きたって素直に言える相手がいるなんて、それはそれですごく幸せなことなんだなと思った。
Nana

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