るるびっち

事故物件 恐い間取りのるるびっちのレビュー・感想・評価

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
3.2
ハリウッド映画の悪い影響が出ている。
ずっと地味展開なのに、クライマックスだけ突然CG漬けの怨霊バトルになる。
クライマックスは盛り上げねばという、悪しきハリウッド病に毒されていないか。

全体的にも心霊物と売れない芸人の青春ドラマが、どっちつかずだ。
それでも、売れない芸人の必死さが垣間見れて話は悪くない。
けれど時々芸人青春ドラマ、時々心霊、クライマックスだけハリウッド志向と、アチコチ接ぎ木したぎこちなさがある。
怖いのは幽霊より、幽霊さえ利用して出世や金儲けしようという人間の欲の方で、それが一番の恐怖や悲劇を呼ぶ構成になっていれば、接ぎ木感は無かったかもしれない。

最初は怖がりだった売れない芸人が、事故物件ネタで売れてからは人格が変わり、もっと怖い物件を求めて「事故物件中毒」になり、気付いたらとんでもない悲劇を招いていた。
となったら、ショボい心霊物で終わらなかったのではないか。
芸人残酷物語としても深くなるし。

今となっては、木下ほうかの出ている貴重作。
ほうか自身が、事故物件になってしまったとさ。
おそろし、おそろし。
PS:今度は香川照之の映画が貴重作になるかな。
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