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ザ・キング・オブ・ハバナのmiporingoのレビュー・感想・評価

ザ・キング・オブ・ハバナ(2015年製作の映画)
3.2
愛だけでは人は生きていかれないという悲しい映画だった。キューバにおける90年代の貧困を背景に作られている。監督はカストロ政権に批判的だったという。台風が来て安普請のアパートが崩れてしまったり、墓を掘り返して死体から金歯を抜いたり、お金のために身を売るのがあたりまえみたいな女性たちだったり、これでもかと貧困を見せつけられる。
主人公の少年レイは冤罪で刑務所に送られるが逃走。マグダという女の子と出会い愛し合うのだけれど、なにせ仕事もお金も教育もないレイ。キング・オブ・ハバナというのは、彼の精一杯の強がりなのだ。彼にあるのはその小さなプライドだけ。愛するマグダにその最後のプライドをずたずたにされてしまったときに彼のとった行動は...というお話でした。
英語字幕で観たのでちょっと解釈が間違っているかもしれませんが。
ラスト・シーンは、自分で繭を作って永遠の眠りに入るかのようでした。悲しくてやりきれない。世界中の子どもが幸せにくらし教育が受けられる世の中になるのにあとどれくらいかかるのだろう...
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