えそじま

勝手に逃げろ/人生のえそじまのレビュー・感想・評価

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)
3.8
劇物語に回帰ゴダール。商業映画といってもゴダールはゴダール。脱都会志向の象徴である元テレビウーマン、都会の経済的自己責任に追いやられた被搾取の象徴である売春婦。愛されたい欲望と支配したい性欲に引き裂かれた変態パパは理念なき知識人の迷いの象徴らしい。ファスビンダーっぽく思えたが、そもそもファスビンダーがゴダールっぽいのかもしれない。その辺の相互関係はよくわからない。

映像は好き。特にある決別から家族の再会→交通事故→路上の演奏→立ち去るまでのシークェンスが絶妙ゴダールだった。電子ピアノやシンセサイザーを使った音楽、乱発されるストップモーション、自然光を活かした深みのある絵もまたこれまで見てきたゴダールとは一味違うゴダール。
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