シエル

息子の面影のシエルのレビュー・感想・評価

息子の面影(2020年製作の映画)
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怖かった。

メキシコからアメリカへの不法入国で、負傷したり死んだりするのって、アメリカへの入国時や入国後に起こることだと思っていたけど、本作のようにメキシコ出国前にこんなことがあるんだ…

台詞が少ない分、映像的な演出が各所に施されている。被写界深度浅めの映像で、謎っぽさと不穏さ、孤独感、閉塞感などが伝わって来るし、証言者の顔が見えないショットなどはドキュメンタリーっぽいリアリティがある。
時に引き、時に寄るカメラに映し出されるワイルドな風景の美しさと怖さもよかった。

衝撃的な真相は、察しのいい鑑賞者なら途中でわかるのかもしれないが、私は直前まで気づかなかった。その分衝撃を衝撃として受け止めることができた(主人公マグダレーナと同じような衝撃を受けることができた)ので、つまり本作を存分に楽しめたので、察しが悪いのも悪くないなと思った。

(2022年映画館34本目)
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