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恋する遊園地のslowのレビュー・感想・評価

恋する遊園地(2020年製作の映画)
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『恋する遊園地』。このタイトルから閉園が決まった遊園地とそれを愛してやまない女性が残された時間を思い出に浸りながら過ごす姿を淡々と丁寧に描いたザ・ミニシアター系映画と予想していたら全く違うベクトルのザ・ミニシアター系で驚いた(全て忘れて下さい)。そもそも原題からイメージしていればそこまで驚くこともなかったのかもしれない。これが邦題トラップというやつですか。実際は、遊園地のアトラクションに胸をときめかせる内気な女性ジャンヌが新しく導入されたアトラクションに一目惚れし恋に落ちるという物語。
対物性愛という愛の形を題材にした、なかなか興味深い作品だった。ただ見せ方が自分には合わず、いまいち入り込めなかったのは残念。『RAW』や『WILD』のような目覚めや異種への愛を描く作品は好きなジャンルではあるものの、この純愛物語こそ対人のそれ以上に繊細な表現で見てみたかったという気持ちが自分の中にあったのかもしれない。これがフランスらしさと言われれば、それまで。
これエッフェル塔と結婚したという実在する人物をモデルにした物語なのだそうで、世の中にそういう方がいてもおかしくはないのかなとは思う。エッフェル塔ほど世界中で知られているものであれば、そういう方が他にもいるのでは。少し調べてみると、エッフェル塔以外と結婚された方も何人かいらっしゃるようで。カミングアウトというか話題になっているのは相手が大きい場合や有名なものの場合で、実際にはこのような方々は一定数いらっしゃるのでしょうね。
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