きょう

ポゼッサーのきょうのネタバレレビュー・内容・結末

ポゼッサー(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

意識を乗っ取る遠隔殺人システムの工作員と、その宿主による意識の "所有者" をかけた戦い。

と思っていたが、最後まで見ると『上司による完全なる後継者育成』のお話なのでは…。
家族愛から生まれた情ゆえか、宿主から離脱(自殺)できなくなった主人公に対し、息子にインプラントして殺させ全てを喪わせる上司のやり口がえげつない。

なお、主人公は名のしれた工作員のようだが「ターゲットの行動や性格のリサーチ不足」「不調を報連相しない」というプロにあるまじき失態を犯してるので、精神面だけでなく技術面もフォローしてあげて欲しいところ。

ストーリー運びのテンポは結構ゆったりしているので、個人的にはもう少し振り切った盛り上がりがあると好みだった。
とはいえ、人格の混ざり合いや揺らぎの演技を中心に据えて見せるなら、これが正解なのだろう。
工作員側の深掘りもほとんどないが、意識の攻防戦に集中できる割り切りだったと思う。

あとは何よりの見所といえばビジュアル面。
真っ黄色で目を引くポスタービジュアルが印象的。劇中でも度々黄色が使用されていた。
意識世界の表現も肉体が溶けて再構築されたり、歪んだ人面皮を被ったり、フラッシュバック的に挟まる映像もショッキングで面白いものばかりで良かった。

パパであるデヴィッド・クローネンバーグの作品含めて、色々興味が湧いた作品だった。
きょう

きょう