カルダモン

ポゼッサーのカルダモンのレビュー・感想・評価

ポゼッサー(2020年製作の映画)
3.7
遠隔殺人を請け負う闇企業で手腕を発揮する女殺し屋タシャ。自分の精神を他人の体に転送して心身の[possessor=所有者]となり暗殺をやってのける。他人の体から離脱するにはその体を絶命させるしかない。
いつバレるのか常にヒヤヒヤ、自分なら当人になりきる自信なんてない。喋りの特徴を練習する地味なシーンが好き。

乗っ取り中の瞳には白い十字が。
同期がズレるとマルが浮かんでる?
転送するためのデバイスに不具合が生じ、崩壊していく精神が蝋細工のように皮膚がとろけるビジュアルで表現されて、とてもドラッギー。

映像的にわざとわかりにくく描いているところもあり、今どっちの精神がどっちの体にあるのか、あれ?となる場面も。
乗っ取った人の意識が覚醒し、タシャの意識と互いに抵抗しあう様子など、面白いけどわかりにくい(笑)
なかなかにバイオレントな描写も盛り込まれており、加減のなさを見せつけられました。あんなに過剰にメッタ刺しにするとはね。


自分ではない身体、精神の崩壊、身体の損壊、近未来的デバイス、などなど父親デヴィッド・クローネンバーグから継承される二代目ブランドン・クローネンバーグ、ソリッドな雰囲気、悪くなかったです。