cookie

白い暴動のcookieのレビュー・感想・評価

白い暴動(2019年製作の映画)
3.7
タイトルから、クラッシュのライブ映像目的で鑑賞したけれど、思っていた内容とは違っていた💦
それでも、UKチャートを聴き、人権問題に関心がある私にとって、この社会派ドキュメンタリーはとても興味深かった。

経済不況への不満の矛先が、旧イギリス領から戦後やってきた移民たちに向けられ、黒人やアジア人が襲われるなど排斥の動きが高まった1970年代のイギリス🇬🇧
当時「白人至上主義」を掲げるような極右政党(British National Front)が台頭していたことに驚き😳
40年も前の事とはいえ、あのミュージシャンが差別発言をしていたことにも。

そんな中で生まれたのが、人種差別抗議活動RAR(Rock Against Racism)。
当時は相容れなかったパンクとレゲエ。RARはそのミュージシャンとファンを結びつけて、若者たちの共感を得ていった。

パンクに反社会的な背景があることや、クラッシュの歌詞に社会的メッセージが込められていることは感じていたけれど、それが反レイシズムへの大きなムーブメントの一翼を担ったという事実を、同じ時代に生きていながら全く知らなかったことが、今さらながら恥ずかしくなるくらい、音楽を愛する若者たちの平等を願う純粋な気持ちが伝わってきた。

トラファルガー広場からヴィクトリア・パークまで約8キロのデモ行進と音楽イベントを、1978年4月30日に行うことが告知される。
携帯電話もネットも無い時代、一体どのくらいの人数が集まるか見当もつかず(しかも当日は雨☔)、当局には500人と申請していたという。
蓋を開けてみると、10万人もの人達が!
長く長く続く大行進に、熱いものを感じた。

本作の公開が最近(2020年)というところにも意味がある。

ロック殿堂入りの授賞式を待たずにジョー・ストラマーがこの世を去ったというニュースを聞いた日のことを思い起こしたり、スペシャルズ(白人黒人混合のスカバンド)はあの時代に生まれるべくして生まれたんだと思えたり...
感慨深かった。

原題:WHITE RIOT
字幕監修:ピーター・バラカン
cookie

cookie