ファーザー何回も観て気晴らしにマザー観る。
川口高齢夫婦殺害事件をベースにした悲惨な親子の共依存の話。気晴らしになる訳なかった。
まず、長澤まさみがこんな人物を演じることに驚いた。性的な雰囲気は強いのに性的な魅力は全然無い、突き抜けたクズで疲れた寂しい女。（もちろんタバコは吸うしパチンコも打つ）という役がよく似合ってた。
息子役の奥平大兼は初の長編で非常に優れた演技だった。今後注目っすな！坊主にした途端、急に垢抜けない雰囲気になるのが面白かった。
ぶっちゃけ、あの社長を利用してれば盗んだ額以上手に入れることは容易で、それをしないのは秋子が信頼の価値を理解してなかったから。歪な人間関係ばかりを経験してきたことが伺えるが、その割に育った異常な環境とかは描かれないため、なんか本当のサイコ女の域な気がする。
映画の宣伝にある「モンスター」そのもの。
自然と周平の方に感情移入することになるが、亜矢と話すうちに饒舌になったり、自分から学校に行きたがったりと幸せになれる要素はあったのに秋子に固執しつづけ、結局長期服役が決まってしまう。そして実際の事件は秋子に執行猶予はつかない。つまり実際より彼が救えない結果となっている。本作がここまでして彼を追い詰める方針に引っ張られるのは何故なのか。
そこが、すっきりしなかった。
