s

MOTHER マザーのsのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.0
しんどい、疲れる。
2014年川口祖父母殺人事件がモチーフ。

どんなに酷い扱いを受けても子供は母親の愛情を求めていて、母親を愛している。客観的に見ると離れて暮らせばいいのに、そんな母親捨てればいいのにと思うけれど、実際にはそれは難しいのだろうか。

個人的に一番しんどかったのは、母親の元恋人が借金追いから逃げるために保護施設(?)から出るところ。勉強したいという、ここに残りたいという息子の気持ちを酷い言葉で傷つけて踏みにじる。
彼には家族しかいない、それを利用して「自分(母親自身)と妹がいなくなるかもね」と言って脅すようなこと言って金目のものを盗らせる。
見ていて、彼女から母親の愛情を感じたことは微塵もなかった。子供をただの道具として使っているようにしか見えなかった。自分は働かず遊んでパチンコして、男に依存して、息子に依存して、、。
「私の子だよ」と言うけれど、確かに産んだのはあなたかもしれないけれど、生まれてきた子供はその子自身のもので、子供だからって何をさせても良いわけない。

最終的にお金に困り、両親(祖父母)を殺してお金を手に入れようとした。息子は懲役12年(実際には15年)。母親は自分はそんな指示していないと否定し、懲役2年半(4年半)となった。
作中でのラスト、「もう外に戻りたくない、ご飯も食べれるし、本も読める」で苦しくなった。そして「僕お母さん好きなんです、どうすればよかったんですかね、、1人じゃ生きていけないですよ、お母さん。全部ダメですよ、生まれてきてからずっと。お母さんが好きなのもダメなんですかね」でもう絶望、、どうすれば、、。

初オーディションで大役を射止めスクリーンデビューした奥平大兼くん。作品の内容的にも"誰も知らない"の柳楽くんを思い出させる。とても雰囲気のある役者さん。これからが楽しみ。
長澤まさみ、この役するの精神すり減らしそうだ、、。阿部サダヲは流石と言って良いのか、こんなクズな男がよく似合う。
s

s