Nana

MOTHER マザーのNanaのレビュー・感想・評価

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
3.5
長澤まさみが主演ということで鑑賞。

自分もシングルマザーなので、共感できる部分は多少あった。

長澤さん演じるシングルマザーの秋子。

滅茶苦茶だな~って感想から始まった。

生活保護費で酒とパチンコ三昧、ガス止まる、お湯湧かない、家はゴミ屋敷、男たらし。

息子の周平は学校にも行かせてもらえず。

よくある母子家庭の悪いニュースの、要素を全て詰め込みました感。

秋子は市役所の職員にまで色目を使い、根回し。

秋子がゲーセンで出会った、阿部サダヲ演じるホストのリョウ。

秋子と組み、市役所の男性に詰め寄り、リョウは市役所の男性を刺してしまう。

秋子、周平、リョウらは夜逃げするはめに。

リョウは銭湯で働いた。

秋子の母からの電話で、市役所の男性は死んでいないと知った。

リョウが働いた銭湯で金庫から金を持ち逃げし、ホテルへ。

子役の子が不憫に思えるくらい、人間の汚い部分が露呈されていた。

周平は、父親に会った際、お金をせびらされる。

心配した父は、『お父さんとこ来るか?』というが、お母さんの方がいい、と言った。

そんな中、再びリョウの子供を妊娠。

リョウは おろせと暴力をふるい、必死にかばう周平も投げつけた。

絶対無理!と言って逃げ去るリョウ。

大丈夫ですか?と部屋に来たラブホの息子。
今度はその男性と身体を重ねる秋子。

時が経ち、周平は中学生だろうか?大きくなり、隣には4歳くらいの女の子。

『お母さん探しに行こ。』と女の子の手を引く周平。

秋子らはホームレスになっていた。

そんなところを役所の人たちが保護。

だが、秋子は躍起になっていた。
周平はフリースクールに通わせてもらえた。

それから、またリョウがやって来た。

リョウはヤクザに入っていた。

最初は、帰ってと拒んだ秋子だったが、次第に また入れ込むように。

リョウはやがて組から終われ、秋子たちはまた逃げた。

『学校に行きたい。二人で行ってきて。』と弱々しく周平は言ったが、母親に貶され、周平もまた そんな母親を放っておけなかったのだろうか。

ところがリョウは諦めた。
諦めたが、秋子に金の工面を頼んだ。

50万どうにかしてくれ、助けてくれ、そうメッセージを送った。

秋子はまた息子に金の工面をさせた。

息子が働く建設会社の社長は、秋子に怒ってくれたが、その甲斐も虚しく。

やがて秋子は、周平に、殺人の要求をするまでに。

秋子の両親。

見放された復習か。

息子の周平に、両親を殺す依頼。
そうしないと次女が困ると言われ、断れなかった周平。

周平は、懲役12年。
秋子は執行猶予が付いた。

弁護士が肩を持ってくれたが、周平は、母親をかばい続けた。

『お母さんが好きなんです。悪いことですか?』と、市の職員にも言い放った。

次女は施設に入所が決まった。

市の職員が、それを秋子に伝えに行き、周平が母親のことが大事だと言った旨を伝えた。

こんなところでジ・エンド。

・・・親子の残酷な共依存。

観終わったら、酷く苦しかった。

秋子は、心から自分を叱ってくれる人がおらず、孤独だったのだろうか。

しかし、誰かが手を差し伸べようとも、拒んでいては何の解決にもならないはず。

秋子も、周りの人間も、もう少しグイグイいっても良かったのでは?

少し冷たすぎる世の中を、ありのまま描いている。

周平役の俳優さんお二人、見事受賞されたようだが、お疲れ様でしたと言ってあげたい。

周平にも。
Nana

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