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MOTHER マザーのeryuのネタバレレビュー・内容・結末

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

●観客視点の感想
 親子ってなんだろうと思った。親子愛が歪んでいくと子供が所有物になってしまうのだろうか。子供は見える世界が全てだから逃げることができない。頼ってきた大人が母親だけだとそこから逃げようとはきっと思いたくても思えない。共依存の関係が恐ろしかった。
 母だけど1人の女性として生きていきたい、男性に養ってほしいという理想だけで生きていて、そのためには子供だって使う、現実を見て行動を移さない果ての姿に、心臓がギュッとなった。
そして、何をされても母を好きでいてしまう周平の姿が苦しかった。

●役者側に自分が立ったら?
◯秋子(長澤まさみさん)
一般的な母像とかけ離れている女性で、男性に頼って生きたいという理想がある。男性に愛されたいから子供は二の次。
演じるとしたら、子供に対する態度がまず大事だと思うから、子供に対して愛を抱いていない、特別な感情を見せないようにする。何も興味がない人に接するような態度にする。
あと、男性に媚びたり男性を頼るような場面が多いから、体のしなやかさとか目線、声の高さで男性に対する態度と子供に対する態度を分けたい。

◯周平(奥平大兼さん)
自分の人生を生きてみたいという思いと、母を捨てることはできないという思いが交差している瞬間だったら、涙が出てしまうと思う。自分の気持ちが伝わらない悔しさと、大好きだからこそ母を捨てて行動することができない自分への怒りが込み上げてくる場面は震えや喉の唾を飲み込む動きで表現する。

●脚本伝えたかったことは?
親は何があっても親で、大好きな存在かもしれない。でも逃げるべき時にはそこから逃げないといけないときがある。
何よりも自分の人生を生きなさい。
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