ワンコ

83歳のやさしいスパイのワンコのレビュー・感想・評価

83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)
3.9
【意味】

セルヒオが最後に自問自答するように述べる言葉は、この作品の重要なテーマだ。

ただ、この映画にはもうひとつメッセージが隠されているように感じる。

それは、妻が亡くなり、日々、その面影から逃れることの出来ないセルヒオが、役割を得て、自分を徐々に取り戻すと同時に、役割を果たすための方法を考え、提案し、分析し、当初のミッション以上の役割をこなして、その過程で感じたことを最後の言葉につなげたことだ。

つまり、歳を重ねても、役割があれば、普通に考え、その役割を果たそうと努力するのだ。

この映画に記録されるお年寄りの会話の中には、年齢に関係なく、恋心が生まれることもあるのだと気が付かされたりするし、セルヒオが妻への愛を前向きに再確認する場面は良いエピソードだと思った。

タイトルが、そもそもスペイン語もスパイという表現を使っていて、イメージの中で誤解を招きやすいのかなと思う。それ程、緊迫するところとか、ドキドキするところはありませんので、スパイに期待はしないように!
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