—— 80歳以上のスパイ募集!!——
おかしな新聞広告を見つけて応募を決めたのは、妻に先立たれた83歳の男性、セルヒオ。
老人ホーム"聖フランシスコ特養ホーム"のとある入居者が虐待されている可能性があるので調べて欲しいという家族からの依頼を受け、セルヒオは老人ホームに潜入し、ターゲットの様子を密かに報告するというミッションに挑む—— 。
新人スパイのセルヒオ。
iPhoneの使い方も不得手。
音声メッセージを送ってみようとしても、
通話ボタンを押しちゃう始末。
眼鏡やボールペンに備え付けられた小型カメラの使い方も覚束無い。
でもネ、一生懸命なんデス。
1回だけ見せられたターゲットの顔と名前なんて覚えられない。だから、どの部屋に誰が入居しているのかを入念にメモして、コミュニケーションも活発に取っていく。
小型カメラのテストをしている時にカメラマンが映り込み、ふとこれがドキュメンタリーだったと気付く。
セルヒオに恋に落ちてしまうお婆ちゃん。認知症で、母親が迎えに来るのを待ち、盗癖があるお婆ちゃん。記憶障がいがあり、思い出が消えてしまう事を嘆くお婆ちゃん。*女性比率高めのホームです。
聖フランシスコ特養ホームの入居者達の心の隙間に、セルヒオが潜入していく。
"泣きたかったから、
泣いてもいいんですよ"
家族の面会が一度もないお婆ちゃんは、彼の言葉に思わず泣き出してしまう。
いやぁ。
ほっこり。
涙ほろり。
セルヒオが本当に優しくて。
地味だけど、
癒されて、
同時に老人介護の在り方も考えさせられる。