なんとも味わい深い作品だった。
チリ産の映画はひょっとして初かも?
冒頭の面接から全てリアルなドキュメンタリーで、施設側には映画の撮影だと伝えて常にカメラが入ってる状態だったので、撮られることにソワソワしてるおばあちゃん達のシーンも。
妻と死別したばかりのセルヒオは、依頼人と代理人の要望を、真面目にこなしていくが、1対10の男女比と、彼の紳士的な優しさからか、女性たちの人気者になっていき、いつしか彼自身もホームの住人たちの孤独にいたたまれなくなっていく。
結末で彼が語る気持ちがまったくその通りだし、非常に切ない。
ただ、ひとつ解せないのは、常にセルヒオを追っているカメラに、セルヒオ自身があまり気づいていない感じにみえる点。
自身のスパイ活動を身近で追い続ける誰かぎいたら、透明人間でもない限り、気になってしょうがなくないだろうか?無視して演技してたってことか?
また、入居者の人種と、介護士たちの人種が露骨に別れていたのも…。