のんchan

フォーリング 50年間の想い出ののんchanのレビュー・感想・評価

4.5
ヴィゴ・モーテンセンの監督デビュー作品💫
脚本、音楽、製作そして主演を務めている。
とにかく初監督とは思えないセンスの良さに圧倒された。
親子関係、親の認知症がテーマ。
好みの内容でもあり、描写は丁寧で細部まで考え尽くされていた。
今までもヴィゴは知的で、才能、センスの塊だと思っていたけど、制作側の実力も間違いないと確信出来て、なんか興奮気味です🥰
これからが益々楽しみになった🌟

ヴィゴ自身の親子関係を反映した半自伝的な脚本。
そして音楽も素敵〜♬✨自らピアノ🎹他の楽器も担っている♫
ここまでオールマイティに出来る人は他にイーストウッド位じゃないでしょうか?


パイロットのジョン(ヴィゴ)はゲイでパートナーと養女と暮らしている。
そこに認知症になり、せん妄症状が出るようになった父親ウィリス(ランス・ヘンリクセン)をロスの自宅に引き取る予定で田舎から連れて来たのだが...

ウィリスは保守的で昔から口が悪くワガママで暴力的で短気。愛妻に愛想を尽かされ子供と一緒に出て行かれた過去がある。子供にも親らしい態度どころか張り合うような何とも呆れ返ってしまう人物だった。ジョンは小さい時から反面教師で大人しく賢く育っていた。
50才のジョンは数日間の父親との暮らしで子供時代の想い出が走馬灯のように蘇って来る。
何を言われても認知症だからとグッと抑え込んでいたが、とうとう限界に...


父親役は当時80歳を目の前にしたランス・ヘンリクセン。莫大な台詞、ずっと悪態を突き通す憎まれ役、観てる方も、そこまで言うか?またか?となるが、テンポも良いし、滑舌も良くて頑張っていた。
助演賞を差し上げたいほど👏

ヴィゴの妹役はローラ・リニー、少しの出演ながら、家族それぞれの立場を飲み込み、胸を痛める表情が巧い✨

医者役にデヴィッド・クローネンバーグ😁腕の良い真面目な老医師で、検査でウィリスのお尻にジェル付けて指を入れ診断する役目🤣

ヴィゴは実生活でも父子家庭で息子を育てて来ただけあるのか、この役も花好き💐な一家の母親担当をしている。テーブルに常に花を優雅に飾るのだが、花入れに準備する手捌きが、台詞を言いながらもこなれている風で素敵だった🥺


認知症になり文句しか言わないジジイは居そうなので、意外にも身近に感じながら観れる方もいるかも?

地味な作品ながらも、ヴィゴ好きなのもあり、丸ごと好みの作品でした✨🌟✨
のんchan

のんchan