ヒラノ

ホース・ガールのヒラノのネタバレレビュー・内容・結末

ホース・ガール(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

病院から脱走して生地手に入れるまでの音楽のイメージがコンサータ飲んだ時の焦燥感と重なる

彼女の症状は置いておいて不安とか他人の目に対する主人公の反応を見てると、こういう状態になるのって自己と他者の境界がデカすぎるんだろうなって思う

自分はそう強く思ってるというのが実際は間違っていることに気付いたとしてもその感覚の断絶を感じてしまったら不安は尽きない

近年だとボーンズアンドオールとかで人と同じになれないみたいな、今流行りのティーンエイジャー特有の孤独感を表した作品があるけど、そういう映画は社会を映しながら個人にフォーカス当てていて、何だか物語として孤独を昇華させていく

それに比べるとこの映画は社会とか関係ないところの孤独を最後まで描いていて良かった。症状が進行するにつれ身の回りの人たちにはイカれてると言われ、遠い目で心配され、最後に残るのは専門的理解のある対応だけで、主人公以外の視点が全く入らないのが良かった。「お前はこうだから孤独なんだよ」という孤独の先輩もいない

主人公役の方の実体験だそうで、(祖母が統合失調症で母が鬱)自分の心が信じられなくなる恐怖を表現したかったと言っていたらしいが、私には本当に伝わりました

この映画見る上で何をどう伝えたいんだとかどう終わるんだとか自分の中にはなくて、そういう見方でこの作品が辛くなってしまった人はジャコ・ヴァン・ドルマルのミスターノーバディも少なからず嫌いそう。あれはまた全く別の、もっと観念的なことを具象的に表現していると思うけど
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