ふじこ

エデンのガーデナーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

エデンのガーデナー(2007年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

わたしにとってはホラー映画に属してしまいそうなほど、人が変わってしまった主人公アダムの行動が全く理解できなかった。

むしゃくしゃしたから適当な男を殴ったら連続レイプ犯で一躍街のちょっとしたヒーローになる。
そこで彼は警察に赴いていきなり警官にしてもらおうとしたり、それが果たせないと警察無線を傍受してなんとかヒーローになりたがる。
25歳でこれは…と思っていると、無意味に街を徘徊したり、遂には歪んだ正義感から犯罪者を殺してしまう。

ちょっとした人生での成功体験から、転げ落ちるように変人(強すぎる正義感の持ち主)へと変わっていき、昔からの仲間達にも縁を切られ、唯一"普通"の立場に留めおいてくれそうだったレイプ被害者でもある女性の父親に、無念を晴らさせるべく銃を手渡す…。

なぜ良い人間に悪いことが起きるのか?
と言うのは誰しもが思うことであるが、それは人生に於いての不条理さでもあり、アダムの言う
"その時誰が正しい事をするのか"
"俺がそこにいる!"
とは、起きてしまった事への慰めや共感、出来れば建設的な事に使うべきで、彼の行動は独りよがりの彼にとってだけの正義でしかない。

彼は誤って殺してしまったあの時の犯罪者についてはどう思っているのだろうか。償ってすらいない。
あまりにも独善過ぎて恐怖すら感じる。
また、彼の父親は彼のような人間の側にいると毒にしかならない最悪の組み合わせだった。
ふじこ

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