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ナイトメア・アリーのsonozyのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
4.0
1946年のノワール小説の傑作という『Nightmare Alley(ナイトメア・アリー 悪夢小路)』を原作とするギレルモ・デル・トロ監督の新作。
アカデミー賞 4部門ノミネート(作品賞・撮影賞・美術賞・衣装デザイン賞)

家に火を放つ意味深なオープニングシーンのあと、クレム(ウィレム・デフォー)率いる見世物巡業の一座に加わったスタン(ブラッドリー・クーパー)の成功と凋落の物語。

見世物一座では、ギーク(鶏を食いちぎったりする獣のような見世物)に関する話や、タロットカード使いのジーナ(トニ・コレット)と、読心術に長けたアル中のピーター(デヴィッド・ストラザーン)夫妻がやっている透視芸に興味を持ち、読心術をピートから吸収する。

感電芸をやっているモリー(ルーニー・マーラ)に惹かれたスタンは、モリーの保護者役のブルーノ(ロン・パールマン)に殴られつつ、二人で一座を抜ける。

妻となったモリーを助手に、メンタリスト・ショーで成功するスタンだが、裕福な客が集まるショーに夫と来ていた心理学者のリリス・リッター(ケイト・ブランシェット)と接点を持って以降、その強欲に火が付き・・・

見世物巡業一座のアングラな世界、メンタリストとして成功して以降のゴージャスな世界、そしてラストに向けてのノワール・スリラー的世界。
スタンの父との関係、アルコール、ギーク、エノクと名付けられた不気味な赤ん坊の標本…などの伏線。
デル・トロ監督ならではの世界が楽しめました。
キャスティングも秀逸で、特に前半のトニ・コレットと後半のケイト・ブランシェットがいい味。

原作『Nitmare Alley』の最初の映画化『悪魔の往く町(1947)』も見てみよう。
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