このレビューはネタバレを含みます
ファンタジックな画面なのにただただ人間を描いているミスマッチな所が結構すきかも
幻想的な見世物のテント
その裏側を描いていて、まずスタンは物語の冒頭でテントしまい、場所を移動するという重労働をしていて、生々しさがあった
もしも見世物屋のお話なら、こういうシーンはバッサリ割愛すると思う
その後は見世物屋のみんながインチキ(と言っていいのか悩むが敢えてこの表現で)をしている様を描いていて、ものすごく夢はない
でも、綺麗なもの、凄いものの裏側には汚い事実がある、みたいなのを見せられる感じが生々しい
デル・トロ監督の作品って中心となる場所にバスで移動しがちなの?
シェイプオブウォーターの時も主人公の出勤手段がバスで、バスの外の雨の雫とかが描かれていたけど、重要な所への移動はバスがいいの?
バス、好きなの?
主人公がだんだん人間から離れていくというか、最初は獣人の男にも同情しているような素振りを見せたり、ジーナとの関係も「ダメだ」と理性を働かせようとしているところが描かれるのに、どんどん人間でいるために必要なはずのものが剥がれ落ちて行くみたいだった
何度も人を殺しているけど、最初は隠蔽しているし、それが彼の闇として描かれていたのにその隠していたものが暴かれていくと同時にどんどんやることがエスカレートしていく
金が欲しいみたいな単純だけど、目的がないと堕落していく欲望に飲み込まれていく感じがした
デルトロ監督、幸薄そうな細くて白い女性が好きと思う。私も好き。
今回は幸薄そうとかじゃなかった
ハチャメチャに幸薄かった
お酒に対してトラウマを持っているのに、だんだんお酒を飲み始めて落ちていく感じがした
「酒を飲む」がトリガーって感じだった
それよりも毎回タバコ短くなるまで吸うやん(たまに長いまま)
何本吸うの
酒飲まない代わりだったのかな?
3人女性が出てくるけど、この3人はスタンのなれなかった本物達だったのかな?
ジーナは確かに種や仕掛けを使っていたけど、タロット占いは百発百中って感じだった
モリーは最後の方に出てくるけど電流を本当に流していたわけで、本当に耐えてた
博士は心理学をちゃんと学んだ学者
いつもどこかで姑息な手を使っていたスタンが持つことできなかったものを3人は何かしら持っていたのでは
最後のオチがあ、こうなるだろうなってわかる部分があるけど、その予想を裏切らなかった瞬間鳥肌がたった
ホルマリンの胎児が出てきた時にはもう彼の運命はここに行き着くものだったんだ…と感じている気がした
わざわざギークの作り方を教わった意味とか、酒飲みたいなら金払えとか、どんどん聞いた事のあるセリフが出てくる
絶望する
冒頭と重なるシーンがエンディングに出てくる作品って、なんかシンメトリーって感じがして綺麗だよね