げんぐ

ナイトメア・アリーのげんぐのネタバレレビュー・内容・結末

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。オリジナル未視聴。

見世物小屋の話を宣伝では押し出しているが、人の野心とか成上り、栄枯盛衰、因果応報的な人の内面をシンプルなストーリーラインで語る作品。
サスペンスやミステリー要素はあまり無かった。

見世物小屋でのシーンが前半で後半に向けての下地作りになっているのだが、作品の方向性が見えない為に人によってはダルい展開に思えるかもしれない。
前半の下地をバネに、後半は主人公の野心で話を一気に推し進めていく。後半に行けば行くほど展開のテンポが上がっていくので2時間半が長いとはあまり感じなかった。
ただ、この話を語るのに本当に2時間半もの尺が必要だったかと言われると…。
尺が長い分、内面の描き方や野心が首をもたげていく様は手に取るようにわかる。前半で敷かれた布石もラストでほぼ回収し、モヤモヤは残らないと思う。
ラストの空笑いで見せる歯が、あれだけタバコを吸ってるのにヤニ汚れも無く、きれいな歯並びな事に若干の違和感を感じた。

良く言えば非常によくまとまってるとは思うが、まとまり過ぎてて何も残らない感じはある。
正直言うと、面白かったけど何故この作品がアカデミー賞にノミネートされているのだろうとは思った。あまり社会的な要素は無かったとおもうのだが…。
観てて面白かったのだが、観る人を選ぶ、人に手放しで勧められる作品ではなかった。



しかし1940年代のアメリカだとそうなのかもしれないが、主人公が隙あらばタバコを加える。また観る機会があれば一体何本のタバコを加えたのか数えたくなる位に。実際に数えた人がいたら教えて下さい。
げんぐ

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