けん

ナイトメア・アリーのけんのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
3.5
監督・脚本 ギレルモ・デル・トモ
(シェイプオブウォーター)

福岡に箱崎宮という神社があって、毎年9月に放生会という大きめの祭がある。15年くらい前、遊びに行った時は、まだ見世物小屋があって、怖いもの見たさに入ってみたんだ。

土の上に藁が敷かれ、その上に材木とトタンで簡易的な小屋が立っている。カタギじゃない雰囲気のおじさんが、まさにこの映画の冒頭と同じような口上を入り口でさけんでいた。蛇を食べる女が観れると。

小屋に入ってみると、濡れた藁の匂いと、血生臭い爬虫類の匂いが、混ざりあったような空気がじっとりと漂っていて、来ちゃいけない所に来ちゃった感を感じたんだ。

この映画の前半で描かれるカーニバルと言われる、いわゆる見世物小屋の雰囲気は、まさに放生会の時の雰囲気とそっくりで、鼻の奥にあの時の空気の匂いを感じてしまうほどだったんだ。

この映画の醍醐味は、味のありまくる俳優陣のキャラクターと演技、デル・トモらしい光と影を使った絵作りもさることながら、最後のでっかい伏線回収だよね。けっこう途中から気づいたって人も多いみたいなんだけど、僕はすんなり驚いちゃったよ。

だけど、エノクという母親の腹の中で暴れまくった胎児のホルモン漬けがでてくるんだけど、この胎児がなんだったのかは、伏線回収されてないんだな。何回もでてきて、エンドロールではデッカくでてくるんだけどね。

たぶん、あの人の子供なんだとは思うんだけどな。
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